05.04.00:19
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05.23.20:21
さてさて、原作の方は角田光代の同名ベストセラー小説を映画化した『八日目の蝉』。この映画のテーマは生みの親と育ての親の葛藤を描いている様でもあり、理不尽な状況に巻き込まれた複雑な親子関係を葛藤とともに描いている様でもある。 普通この手のヒューマン系犯罪ドラマは犯罪そのものにスポットを当て、そのコアの事件を中心に現在進行形の形で人間関係を織り込んで行く手法が一般的だが、この映画はあえてその定番のスタイルに拘らずに、事件のアフターストーリーと言う形でその後の動きにスポットを宛て、事件当時をフラッシュバック的に入れ込んで来ている。 それが斬新とは言い切れないにしても最近の映画ではあまり使われていんかった手法ではあるね。この手の映画の名作は思い出した多々あるかもしれんけどね。いまは思いつかんから具体名はパスするけど。 主人公の恵理菜はかって誘拐された犯人に4歳まで育てられた過去を持ち、実の親との関係では破綻を来たしていた。恵理菜はそのトラウマを掘り下げて見る決心の切っ掛けを得て、自分探しの旅に出掛ける。その展開を見ると、ぶっちゃけロードムービーとも言える映画ですが、旅の途中で誘拐犯である筈の育ての親へシンクロして行く主人公の道程を丹念に描いています。 批評家の間ではその脚本が絶賛されていて、母親役の永作博美の演技も評価されている。彼女はアイドル出身であり、結構童顔なのでシリアスな芝居に向いてないと思われ勝ちですが、その一般的与える印象と実際の彼女の演技力とのギャップがこの映画の演出の肝なのではないかなぁ。。。と思ってしまいます。 この映画の縦軸で炙り出されて行く母と言う存在、母性と言う底知れぬ感情。それは時として底なしの慈愛でもあり、果てしないエゴでもある。主人公の恵理菜とっては幸福感一杯だった幼少時の記憶が、実は本来拒否すべき相手との慈しみの日々であったと言う耐え難い矛盾。 そして成人し、とある出会いによってその矛盾に正面から受け入れていこうする主人公の精神的葛藤と偽りの親子であった逃亡の日々がイノセントな営みの中で叙情的な風景をせつなく紡いでいく過程を凝視せずには居られません。 考えさせられる映画ではあるけれども、頭を空っぽにして素直な視線で見たほうがより深く味わえる映画です。 なお、GANTZの原作者の奥先生が大推薦しているのはガチの話ですのん♪ ツイッターで直接聞いた時の返事だからマチガイナイ! あらすじ: 子どもを身ごもるも、相手が結婚していたために出産をあきらめるしかない希和子(永作博美)は、ちょうど同じころに生まれた男の妻の赤ん坊を誘拐して逃亡する。しかし、二人の母娘としての幸せな暮らしは4年で終わる。さらに数年後、本当の両親にわだかまりを感じながら成長した恵理菜(井上真央)は大学生になり、家庭を持つ男の子どもを妊娠してしまう。 ほなな~♪ PR
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